天淨沙・秋思--元・馬致遠
(大篆「天淨沙・秋思--元・馬致遠」 作者:張重憲)
天淨沙 ・ 秋思〔越調〕
元・馬致遠
枯藤老樹昏鴉,枯藤の老樹 昏(くれ)の鴉,
小橋流水人家,小橋の流水 人家,
古道西風痩馬。古道の西風 痩馬。
夕陽西下, 夕陽 西に下れば,
斷腸人在天涯。斷腸の人 天涯に 在り。
●注釈
♪馬致遠(1250~1324)
元初の元曲の作家。字は千里、号は東籬。大都の人。
江浙行省務官にまで上った。世宗のとき、大都玉京書会に入った。
雑劇十四種を作った。
白樸・関漢卿・鄭光祖とならぶ元曲の四大家のひとり。
代表作『漢宮秋』、『青衫涙』。
♪ 天淨沙・秋思:元曲。重苦しい語感の名詞によって構成されている特異な作品。
『越調』は宮調(=楽曲)を指し、
『天浄沙』は曲牌名(=詞の長短の句や押韻等の形式)を指す。
『秋思』が詞の題。元代に興った。
♪現代文訳
枯藤老樹昏鴉:冬枯れで葉が落ちたフジの蔓と古木、
(更に)夕暮れ時の(数羽の)カラス(の姿)。
*秋の点景で、重苦しいものを挙げている。
小橋流水人家:小さな橋が架かっている)せせらぎの(畔にある数軒の)人家。
*秋の点景で、規模の小さいものを挙げている。
古道西風痩馬:古くからある古びた道で、秋風が痩せた馬に(吹きかかり)。
*秋の点景で、衰勢を表すものを挙げている。
夕陽西下:夕日が西に沈もうとする。
斷腸人在天涯:辛い思いをしている人が、故郷を遠く離れ、地の果てを旅している。
ここでは、独り旅をしている作者自身を指す。
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