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詩書画を通じて中日間の文化交流を深めたい

『青玉案 元夕』

(「驀然回首,那人卻在,燈火闌珊處」 張重憲)




出所: 辛棄疾『青玉案 元夕』


作者について
辛棄疾(1140-1207)南宋時代の詞人。知名度は日本では低いと思います。
しかし、北宋の蘇東坡と言ったら、ご存知の方は結構いらっしゃると思います。
日本では「東坡、山谷、味噌、醤油」という言葉が鎌倉・室町の五山の僧たちの
文化をあらわしているそうです。つまり精神面では蘇東坡と黄山谷からの影響が
大きいということですね。
では、話は戻ります。辛棄疾は、宋詞において豪放詞派の筆頭格と目され、
蘇東坡と並んで「蘇辛」と称されるほどです。


原文:
「青玉案 元夕」
東風夜放花千樹。
更吹落,星如雨。
宝馬雕車香満路。
鳳簫聲動,玉壺光轉,一夜魚龍舞。
蛾兒雪柳黃金縷,笑語盈盈暗香去。
衆裏尋他千百度,驀然回首,那人卻在,燈火闌珊處。



和訳:


春風が吹く夜に、無数の燈籠が花のように咲く
風に吹かれる燈籠はまるで星が降るように
美しい馬や華麗な馬車や行ったり来たりし、香りは道いっぱい
笛は鳳凰のように鳴り渡り、月は玉壺のように光り輝き、一晩中魚龍の舞はつづくのだ。
さまざまな髪飾りを掛けている美女たちは笑いさざめきつつ艶やかな香りを残していく
人ごみの中に何度も何度も探し回ったところふと振り返ると
あの人は灯の尽きた暗いところ(闌珊としたところ)に
引っ込んで立っていたのをみつけた。


この詞は「元宵節」の賑やかな街中を描写しながら、気になるの人が人込みを離れて一人寂しく佇む情景を描き出している。


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